ペット業界では初の「Giardia Antigen Rapid Test (ジアルジア迅速検査)」を用いた「ジアルジア感染症(寄生虫)ゼロミッションプログラム」を開始

10月31日付リリースの「ジアルジア感染症(寄生虫)についての報告」を踏まえ、ペット業界では初の「Giardia Antigen Rapid Test (ジアルジア迅速検査)」を用いた「ジアルジア感染症(寄生虫)ゼロミッションプログラム」を開始したことをご報告いたします。

【背景】

ジアルジア(Giardia)は、世界中に広く分布し、さまざまな動物の消化管内に寄生して下痢の原因になることがある最も一般的な原虫のひとつであります。特に、犬のジアルジア感染は子犬を中心として急性ないし慢性の下痢を引き起こす可能性が高く、感染率も高いために、当グループでは重点的に予防、駆除を実施しております。

ペット業界ではこれまで、「犬の体内には寄生虫(ジアルジア等)がいることは常」という、風潮のなか、お客様へお引き渡しをしてきましたが、今後、子犬、幼犬の負担、飼い主様のご負担を鑑み、「ペットショップの新常識」として、お引き渡し時までに、全頭の検査を繰り返し行い、「ジアルジア(寄生虫)のゼロ」を目指します。

 研究機関や学術論文によると、犬の繁殖場由来の生体でジアルジア発生率45%、一般ペットショップ由来でジアルジア発生率29%といわれ、当社の現況で6%となっております。当社では、「寄生虫(ジアルジアを含む)駆虫プログラム」を実施しており、一般の発生率に比べると低く推移していますが、6%程度発生していることを鑑み、「ゼロ」の状態にし、お客様へお引き渡しをし、安心して飼養していけるように取り組みを強固なものにしていくことがミッションとなります。

 従来、以下の「ジアルジア発見のための検査方法」にあります「電子顕微鏡(400倍)」を用いた検査を実施し、発見率を高めてきましたが、専門スタッフによる、人間による限界値である判断をし、昨今、進化し精度が高まってきてきている「Giardia Antigen Rapid Test(ジアルジア迅速検査)」をSTEP1に導入することにより、テストデータでは、従来法より”3倍”程度の発見率となりました。


◆ジアルジア発見のための検査方法

○STEP1

「Giardia Antigen Rapid Test Kits(ジアルジア迅速検査キット)」を用いて、犬の糞便中のジアルジア嚢胞抗原を検出します。本テスト(キット)は、使いやすく、3 つの手順により、不必要な再テストを排除し、人的エラーの可能性を最小限に抑えることができ、素早く正確に検査、検査結果を出すことが可能となります。

○STEP2

「電子顕微鏡(400倍)」を用いて犬の糞便中のジアルジア、その他寄生虫を電子顕微鏡(400倍)にて観察し、原虫と呼ばれる目に見えない大きさの寄生虫を観察し、発見に至ります。

*本検査は従来の取り組みで実施済みの方法となります。

○STEP3

「AIによる機械学習(ディープラーニング)システム」を用いて、犬の糞便中のジアルジア、その他寄生虫をAIによる機械学習(ディープラーニング)システムへ通すことにより、人間の観察では、発見が難しい寄生虫を抽出し、発見に至ります。


◆ジアルジア感染症の検査の流れ

ウェルネスセンターにおいて全頭検査「Giardia Antigen Rapid Test(ジアルジア迅速検査)」を実施、発見に至った場合、「寄生虫駆除プログラム」を適用、7日間の経過観察の後、再検査。検査結果次第でその繰り返し。


◆全体スケジュール

・2023年12月…

 ウェルネスセンターにおいて、メディカルチェック時の「Giardia Antigen Rapid Test Kits(ジアルジア迅速検査キット)」による全頭検査導入

・2024年2月(予定)…

 全店舗におけて、お引き渡し時の「Giardia Antigen Rapid Test Kits(ジアルジア迅速検査キット)」による全頭検査導入

 *全店舗において、多頭飼養の飼い主様向けの「先住犬のジアルジア検査(無料)サービス」を開始

・2024年3月(予定)…

 ウェルネスセンターにおいて「AIによる機械学習(ディープラーニング)システム」による全頭検査導入

・2024年4月(予定)…

 全店舗におけて、お引き渡し時の「AIによる機械学習(ディープラーニング)システム」による全頭検査導入

*上記に加え、従来からの「電子顕微鏡(400倍)」による観察、検査は継続



また、本検査を通じて、データの蓄積は、現在、業界が抱えるさまざまな問題を解決に導き、そのビッグデータは、当グループへの健康管理への寄与をはじめ、他事業者やブリーダーへの波及することにより、業界全体が健全に変化、進化していくことを期待しております。

また、潜伏する感染症(寄生虫)におけるペット医療保険加入についての相関関係については、別途記事へ掲載予定です。